TOP > 旬の食レポート 地球からの贈り物「塩」物語

季節の食にまつわることをお届けします 旬の食レポート

2012 Summer

身近な食のストーリー 地球からの贈り物「塩」物語

おいしいごはんを作るのに欠かせない塩。どこの家庭にも必ずあるのに、
意外と知らない生まれや生い立ちの情報、その性質や特徴、上手な使い方など、
地球からいただく生命の糧・塩をレポートします。

  • 生きていくために欠かせない「塩」
  • 塩の違い、健康とおいしさ。
  • 塩の色と形
  • 味の決め手は粒の大きさと形。
  • 世界の塩
  • 過去のレポート

「奥能登塩田村」の写真石川県・能登半島の珠洲市では、古来からの「揚浜式製塩」が現代も続けられており、
国の重要無形民俗文化財に指定されています。写真は「奥能登塩田村」の風景。

生きていくために欠かせない「塩」

 塩は私たち生き物の命を維持するために、なくてはならない物質です。体の中に体重の約0.3%程度含まれていて、私たちの体を形作る約60兆個の細胞が正常にはたらける環境をつくり出し、維持する役割を果たしているのです。さらに、食べ物を消化、吸収するのを助けたり、体液を健康な弱アルカリ性に保ったり、脳の命令を、神経細胞を使って筋肉に伝えるなど、体を健やかに保つのに欠かせません。

 ところが現代は、飽食の時代と言われ、健康のための「減塩」が叫ばれるようになりました。「塩分の取りすぎが高血圧の原因」などとも言われています。しかし、むやみに塩分を控えるのはかえって危険。最近の研究では、減塩が必ずしも高血圧対策には結びつかない例もあることがわかっています。

 多すぎても少なすぎても困るのが「塩」の存在。生命が海の中で生まれた35億年前からずっとそう。「ちょうどいい塩梅」のところが一番大事なのですね。

今回ご協力頂いたのは たばこと塩の博物館

世界中の塩の情報が学べるスポット。いろいろな塩が買える売店コーナーもあります。
たばこと塩の博物館の写真
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-16-8
TEL:03-3476-2041
開館時間:午前10時~午後6時
http://www.jti.co.jp/
Culture/museum/

今、いちばん気になる 塩の違い、健康とおいしさ。

日本の塩・世界の塩

 周囲を海に囲まれた日本では、古代から塩を海から採取してきました。海水に約3%含まれる塩分を、天日で干して濃縮したり、釜で煮詰めたりと、重労働の末に塩の結晶を手に入れてきたのです。近代的な工場で高品質の塩が作られるようになった現代でも、「海水から作る」その製法の原理は変わりません。

 ところが、世界の塩の生産量を見ると、海水から作る塩「海塩」は、全生産量の4分の1程度。残りの4分の3は、地面の下から採取する「岩塩」や、塩分の高い塩湖から採り出した「湖塩」です。 「海の塩」にしか縁のない日本人にとって、地下から塩を採るのはちょっと意外。しかし、これらの岩塩や湖塩は、45億年という長い地球の歴史の中で海水が地中に取り残されたりしてできたもの、いわば「海の化石」。長い目で見れば、やはり塩は海からの贈り物なのでした。

健康によいのはどの塩?

 最近、外国産の塩をよく見かけるようになりました。知らない土地の、山や砂漠や、湖で採れた「天然塩」はなんだか体によさそうに思えます。

 が、あくまでも塩の主成分はナトリウムと塩素。産地や製法の違いにより、マグネシウムやカリウムなどの微量のミネラル分の含有量に違いはありますが、その差もごくごくわずか。栄養価や健康上の差があるという根拠はありません。

 それよりも、採取したままの岩塩には重金属類が含まれている可能性もあるのです。日本は製塩技術にも優れ、成分検査がされたものが多いので安心ですが、「天然」「自然」だから安全とはいえないので、言葉に惑わされず、信頼できるものを選びたいですね。

ボリビアのウユニ塩湖の写真ポーランド岩塩鉱山の写真イギリス岩塩鉱山の写真

〈上〉ボリビアのウユニ塩湖
〈中〉ポーランド岩塩鉱山
〈下〉イギリス岩塩鉱山

塩の色と形

塩の結晶

塩は結晶になるとき、その過程の違いによって実に多彩な姿に変身します。
不思議な美しさに思わず引き込まれてしまいそう。

六面体(サイコロ形)の写真
正六面体(サイコロ形)
塩の結晶の標準形で全ての方向に均等に成長。
トレミー(逆ピタミッド型)の写真
トレミー(逆ピタミッド型)
表面に浮かんだ結晶が自重で沈みながら成長。
フレーク(薄い板状)の写真
フレーク(薄い板状)
塩水の表面に浮かんでできる薄片。
柱状・針状(細長い結晶)の写真
柱状・針状(細長い結晶)
何らかの条件で一方向に偏って成長。

岩塩いろいろ

塩は元々無色、透明で色はありません。塩湖の蒸発・濃縮・乾燥が進み、結晶化して岩塩層になったとき、砂や鉱物の混入、結晶の構造などによって様々な色になります。

イラン岩塩の写真
イラン岩塩
ドイツ岩塩の写真
ドイツ岩塩
パキスタン岩塩の写真
パキスタン岩塩

塩を使って上手においしく!味の決め手は粒の大きさと形。

世界各地には形も色も異なる様々な塩がありますが、前のページでご紹介した通り、基本的には同じもの。さて、そこで感じる味の差とは、いったいなんでしょう?

 ナトリウムと塩素が結びついてできている、しょっぱい塩の味の決め手、それは、その結晶の「形と大きさ」なのです。

 一般的に、粒の大きな塩は口の中で溶けるのに時間がかかるため、まろやかな味わいに。粒の小さな塩はすばやく溶けるので、塩味がピリッとシャープに感じられます。また、結晶の形が複雑なものは、表面積が大きいため、口の中で溶けやすく塩味を強く感じるそうです。

「にがりが多い方がおいしい」という人もいますが、このにがりの正体はマグネシウムやカリウムなど微量のミネラル。ほんの少し加わることで味に複雑さがプラスされますが、それも多すぎると苦みが強くなります。「ほんの少し」がポイントです。

料理に合わせて塩のタイプを選びましょう

●おにぎり

これぞ塩味そのものが決め手、塩を粒のまま口に入れる料理のときこそ「私好み」が大事です。煮ものなどとはちがい、塩の差がはっきり出ます。粗塩などしっとりとした塩もおすすめ。

おにぎりの写真

●肉や魚の下味と仕上げ

下味として肉や魚にふる塩は、粒の細かいサラサラしたものを。均等にふりやすく、素早く作用します。焼いた後は仕上げに大粒の塩をふって味と共に粒の食感も楽しみましょう。

お肉の写真

●バリエーションを楽しむ

ゴマ、カレー粉、抹茶などをプラスして、風味を楽しみながら天ぷらなどにふる味付けのミックス塩は粒子が細かいものを。加熱して水分を飛ばした焼き塩が最適です。

ミックス塩の写真

知っていると便利 塩づかいの料理用語 上手に使いこなすために知っておきたい言葉。

ふり塩
素材に塩をふりかけると、水気が抜けて、味が調整されます。魚の身を引き締めたり、野菜などに味をなじませやすくします。
立て塩
海水程度の濃さの塩を溶かした水のことで、魚介類を下洗いするときや、素材にムラなく塩味をつけるときに使います。
化粧塩
タイ、アジ、アユなどの魚を姿焼きにするとき、そのまま焼くと尾やヒレが焦げ落ちてしまうため、そこにすり込むように塩をつけて美しく焼き上げること。
呼び塩
数の子や塩鮭など、塩分の濃い食品のうまみを逃さず、すばやく塩抜きするための、薄い塩水のこと。「迎え塩」とも呼ばれます。
もみ塩・塩ずり
枝豆に塩をもみ込んで、産毛を取る。キュウリにふってまな板の上でこすり、色よく仕上げる。サトイモにふってこすってヌメリを取るなど、塩の様々な効果を利用すること。

その日の気分で使い分けたい 世界の塩 国内の名産地の塩や、世界の塩がすぐ手に入るようになりました。「今日はどこの塩にしようかな」と楽しみながらその日の塩を選んでみませんか。

「瀬讃の塩」の写真
瀬讃の塩
香川県讃岐産の海水塩。江戸時代の塩田を現代風に再現し、平釜で煮詰めたもの。焼きむすびや焼き魚におすすめ。
250g/日本海水
WEB SITE
「浜御塩藻塩」の写真
浜御塩藻塩
長崎県壱岐対馬国定公園内の海水を天日干しした国産藻を、一緒に平釜でじっくり煮詰めて作った藻塩。和食全般におすすめ。120g/白松
WEB SITE
「沖縄の海水塩美ら海育ち」の写真
沖縄の海水塩
美ら海育ち
沖縄・糸満市の沖合、約2000mの海水をくみ上げ、薪火でじっくり煮詰めた塩。ほのかな苦みと甘みが特徴で、様々な料理に使えます。500g/青い海
WEB SITE
「ヌキテパ」の写真
ヌキテパ

フランス・ロレーヌ地方の岩塩を溶解、再結晶させた塩。スッキリとした味の料理にボリューム感を出すのに向いています。180g/ジャパンソルト(1)
「シベリア岩塩ミックス」の写真
シベリア
岩塩ミックス
シベリア産の岩塩で、きれいなクリスタルタイプの結晶が特徴。パウダー状と粗めの塩をミックスしたもので、食感の違いも楽しめます。150g/門
WEB SITE
「リアルソルト粗挽き」の写真
リアルソルト粗挽き
アメリカ・ユタ州産の岩塩の大粒タイプ。肉料理や揚げ物、煮込み料理に特におすすめの1点。ミル用として使用できます。100g/ジャパンソルト(2)
「海の果実」の写真
海の果実
フランス・ゲランド地方で作られる天日塩の中で、塩田に浮かぶ大粒の結晶のみを集めたもの。料理の仕上げ用におすすめ。125g/アクアメール
WEB SITE
「シチリアの食卓」の写真
シチリアの食卓
イタリア・シチリア産の天日塩。海水を使い、昔ながらの伝統的な製法で作られた塩で、クセがなく料理全般に使えます。200g/ジャパンソルト(3)

(1)、(2)、(3)のお問い合わせ先:
ジャパンソルト 0120-16-4083
こだわりのお塩.com

ようこそ、伊勢丹新宿本店「Kitchen Stage by Kai House」へ!

お店で味わったあの味を家でも作りたい。そんな思いを叶える場所、それが「Kitchen Stage by Kai House」(伊勢丹新宿本店 地下1階)です。Kitchen Stageでは2~3週間ごとにメニューを変え、様々なタイプの料理をご提案しています。提供しているメニューのレシピには、調理のポイントに加え、どんな食材や道具を使用しているかもご案内しています。このページでご紹介した名産の塩を始めとする伊勢丹が厳選した食材を、皆さんに味わっていただくスペースです。ぜひ、「Kitchen Stage by Kai House」へお越しください。

伊勢丹新宿本店「Kitchen Stage by Kai House」の写真

場所:
東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿本店本館地下1F 明治通り側エレベーター前
営業時間:
10:30~20:00(L.O19:00)
お問い合わせ:
03-3357-3110

メニューについては、伊勢丹新宿本店ホームページ
[食品フロアのご案内]→[新宿店]→[伊勢丹店舗情報]に、イベント情報が掲載されております。

過去のレポート

Page Top