TOP > 旬の食レポート 日本料理の味の原点「出汁」物語

季節の食にまつわることをお届けします 旬の食レポート

2012 Winter

身近な食のストーリー 日本料理の味の原点「出汁」物語

「ヘルシーな長寿食」として世界中が注目する日本料理の味の決め手は、
昆布、鰹節、煮干しなどからとった出汁の旨み。お手軽なインスタント製品が多い今、
あらためて天然出汁の魅力や使い方のコツを見直してみましょう。

  • 日本ならでは海の幸が旨みの原点に
  • 素材の風味を引き立てる和風“三大” 出汁
  • おいしい天然出汁をとってみましょう
  • 東京「おいしい出汁」散歩
  • 過去のレポート

北海道・日高の天日干し昆布の写真北海道・日高の天日干し昆布

島国、日本ならではの海の幸が旨みの原点に

「出汁」とは、魚介や海草、肉、野菜、キノコなどのうま味を抽出した液体のこと。塩や砂糖、醤油、味噌などの調味料やスパイスとともに、おいしい味を作りだします。
四方を海に囲まれた日本では、大和朝廷の時代に鰹の出汁(干したり、煮干しにしたもの)が、さらに後世は北海道から昆布、西日本からカタクチイワシを使った煮干しが広まり、明治時代には料理に合わせてさまざまな出汁が使い分けられるようになりました。
しかし現代では、手軽に使えるインスタント調味料に押されて、天然出汁の需要は減少気味。「出汁をとるのは面倒」という声も少なくありません。しかし、肉や野菜を何時間も煮出す洋風の出汁に比べて、日本の出汁はとり方がとても簡単。しかも、しっかりとった出汁には豊かな風味とコクがあって、塩や醤油などの「塩分」を控えめにできるメリットもあります。
まずは、毎日のお味噌汁から、天然出汁で作ってみませんか。

素材の風味を引き立てる和風“三大”出汁。

鰹節

脂ののったカツオの身を一度煮た後、サクラやクヌギの薪で何回もいぶしてカチカチに乾燥させた鰹節は、まさに日本の出汁の原点。「イノシン酸」という核酸がそのうま味成分の正体です。すっかり乾燥させた段階の「荒節」の他に、表面に何度もカビ付けし、菌の発酵効果でさらに乾燥と旨みの熟成を促した高級品の「本がれ鰹節」があり、こちらのコク深い出汁は、特に東日本で好まれます。
最近は鰹節を削る習慣が減っていますが、反面、個別包装された〝削り節パック〟の種類が増え、さまざまなタイプの味が楽しめるようになりました。

昆布

北海道や東北など主に北の海岸で採れる昆布は、その産地によって味や使い方に特徴があります。最高級と言われるのが利尻昆布。上品な旨みが出る一方、出汁をとった後の昆布は固くて煮物には不向き。羅臼昆布は出汁をとった後、そのまま食べても美味、日高昆布は出汁でも煮物でもOKといった具合です。不安なときは、乾物店のスタッフに尋ねてみましょう。
水に浸けておけば、うまみ成分のグルタミン酸が溶けだすので、使い方は意外と簡単。 一晩鍋に浸けた後、そのまま火にかけ沸騰したら取り出します。その後に鰹節を加えれば、高級な「一番出汁」の出来上がりです。

煮干し

獲りたてのカタクチイワシやマイワシの稚魚をゆで、乾燥させた「煮干し」は、九州や四国などでよく使われる出汁。消費量では鰹節や昆布を抜いて日本一です。濃厚な風味を出すので、お味噌汁や煮物など、普段の家庭料理に最適です。
頭や腹わた部分に苦みがあるので、普通は指で取り除いてから使いますが、コクのあるさらに濃厚な出汁にしたい時はそのまま使ってもよいでしょう。同様の煮干しとして、アジやサバの稚魚やアゴ(トビウオ)などを使う地方もあり、その土地の伝統料理の味の決め手となっています。

他にもあります!風味豊かな出汁

干しシイタケ

日本中の山で採れるシイタケを干したもので、コクのある味わいが煮物や汁物の出汁に最適。鰹節や昆布、イリコなど海の出汁と合わせて使うとよい。

干しエビ

主に瀬戸内海沿岸で採れるエビの殻をむき、塩ゆでしてから干したもの。香ばしい風味が特徴で、四国ではうどんやそうめんのつゆに使われることが多い。

アゴ

アゴとは、北九州や山陰地方でのトビウオの地方名。あらかじめ内臓を取り出し、焼いてから干す「焼き干し」は、クセがなく上品な味わいの高級品だ。

干し貝柱

北海道のオホーツク沿岸や、青森県の陸奥湾などで採れるホタテ貝の貝柱を干したもの。中華料理では高級品とされる。水で戻してそのまま食べても。

おいしい天然出汁をとってみましょう。「だしポット」ならカンタン!

難しそうな天然出汁ですが、意外と手間がかかりません。特に「だしポット」を使えば簡単においしい出汁が作れます。

日本の出汁は、手間いらずなのが特徴の一つ。でも、天然出汁のとり方で思い浮かぶのは、料亭などで使われる「一番出汁」のことではないでしょうか。これは、あらかじめ昆布を水に浸しておき、火にかけて沸騰する直前に取り出す。その後、沸騰したら鰹節を投入し、2、3分煮出したのち、ザルでこしてとるもの。火加減の見計らいなど確かに神経を使いますが、日々のお味噌汁や煮物を作るのなら、もっと気軽に考えてよいのです。さらに「だしポット」を利用すれば手軽に本格出汁がとれますよ。

「だしポット」を使った基本の出汁の取り方

ストレーナーの中に昆布と鰹節を入れ、沸騰したお湯を注げば本格出汁が簡単に抽出でき、1~2 分でおいしい出汁をとることができます。ストレーナーはポットの底まであるので、少量の出汁もムダなくとることが出来ます。

だしポット(500ml)の写真
商品詳細を見る

「分とく山」総料理長 野﨑洋光考案
だしポット(500ml)

品番:FK-0091 サイズ:長さ105mm×幅185mm×高さ140mm 重量:471g 材質: 本体/磁器(備前有田焼)ストレーナー/18-8 ステンレススチール
価格:8,640円

だしポット(500ml)の写真

夜のひと手間でおいしいお味噌汁を。

前の晩から鍋の中に浸しておくなら昆布と煮干しがおすすめ。火にかけて沸騰したら、取り出して具を入れ、仕上げに味噌を溶いたら最高においしいお味噌汁の出来上がりです。

夜のひと手間でおいしいお味噌汁を。の写真

出汁をとった後も無駄なくおいしく 栄養満点の一品に大変身!

オイルサーディンの画像

オリーブオイルで
オイルサーディン風に

オリーブオイル大さじ3 に対して、塩ひとつまみ、適量の黒コショウ、オレガノ、鷹の爪を合わせておき、出汁をとった後の熱々の煮干し4、5 匹を加えれば、イタリア風に大変身!

沖縄風・クーブイリチーの画像

沖縄風・クーブイリチー
(昆布の炒め物)

一度出汁をとった昆布を細切りにし、豚肉、ニンジンや油揚げと一緒に炒めた沖縄風のお惣菜。酒、砂糖、醤油で味付けし、仕上げに青菜を散らせば見た目も華やかに。

極上ふりかけの画像

フライパンで汁気を飛ばす
極上ふりかけ

残った削り節は、熱したフライパンの上に広げて空煎りします。ちりめんじゃこやゴマを加え、醤油、砂糖、みりんを好みで足し、汁気がなくなるまで煎りつけます。

ホンモノを求めて 東京「おいしい出汁」散歩

築地の老舗昆布問屋

ずらり揃った昆布から自分好みを見つける楽しみ

築地場外市場の一画にある「吹田商店」は、戦前から店を構える昆布問屋の老舗。日本中から集まるあらゆる階級の昆布が店に並びます。「高級ならいいってもんじゃない。味噌汁か、おもてなし料理か、使い方に合わせて紹介しますよ」という店主の声が嬉しい。

吹田商店の写真

吹田商店
東京都中央区築地4-11-1
TEL:03-3541-6931 営業時間:6:00~14:00

日本橋だし場 (NIHONBASHI DASHI BAR)

都会の真っただ中で本がれ鰹節の香りにほっと一息

東京、日本橋の複合ビル「COREDO室町」1 階にある「にんべん日本橋だし場」では、1 杯100 円で最高級の鰹節でとった出汁がいただける。最初はそのまま、あとは塩や醤油を足して自分好みの味に。仕事や散歩の途中、日本の味が身も心も癒してくれる。

日本橋だし場 (NIHONBASHI DASHI BAR)の写真

日本橋だし場(NIHONBASHI DASHI BAR)
(にんべん日本橋本店内)
東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1階
TEL:03-3241-0968 営業時間:10:00~20:00
(ランチタイムは11:00~14:00 ドリンクメニューは~19:00)
WEB SITE

ようこそ、伊勢丹新宿本店「Kitchen Stage by Kai House」へ!

Kitchen Stage は2~3週間ごとにメニューを変え、広いジャンルの人気料理人たちが腕を振るい創作したメニューをご提供するスペースです。「お店で味わったあの味を家でも作りたい」と思っていただけるように、調理のポイントに加え、どんな食材や道具を使用しているかもレシピなどでご案内しております。ぜひ、「Kitchen Stage by KaiHouse」へお越しください。

【12月以降のスケジュール】

12月5日~12月25日 レザンファン ギャテ 松澤直紀シェフ(フレンチ/ 代官山)
12月26日~1月8日 キッチンステージ 小山雄史シェフ(洋/ 伊勢丹新宿店内)
1月9日~1月22日 鮮魚店「東信水産」による魚貝類を使った和食・洋食
1月23日~2月5日 HATAKE AOYAMA 神保佳永シェフ(イタリアン/ 南青山)

の写真
伊勢丹新宿本店本館地下1 階にある「Kitchen Stage by Kai House」。オープンキッチンなので調理中の様子も間近で見ることが出来ます。使う道具や盛りつけのコツなど、料理の腕を上げるヒントがいっぱいです!

場所:
東京都新宿区新宿3-14-1
伊勢丹新宿本店本館地下1F 明治通り側エレベーター前
営業時間:
10:30~20:00(L.O19:00)
お問い合わせ:
03-3357-3110

メニューについては、伊勢丹新宿本店ホームページ
※都合によりメニューの一部が変更になる場合がございます。

過去のレポート

Page Top